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何となく書きたくなった満と薫の超短編(普段の短編の4分の1くらい)のSSです。ぼんやりしている満と薫。





嫌な夢を見たような気がして満は目を覚ました。
ごくわずかな間、自分がダークフォールにいるような感覚を覚えたが、
すぐにそれは錯覚だと分かった。ここは薫と二人で暮らしている家だ。
部屋の反対側のベッドでは、満が起きたことに気づかず薫が
静かな寝息を立てている。夢の内容は思い出せない。
ひどく嫌な夢だったと、その感覚だけが残っている。

また目を閉じようとして満はふと思い立つとベッドから起き上がる。
薫のベッドまでは二、三歩だ。
そしてそのままごそごそと薫の布団にもぐりこむ。
まだ寝ている薫の顔を見てから、満は再び眠りに落ちた。


暑さに寝苦しくなって薫は目を覚ました。
ほんの一瞬、自分がダークフォールにいるような感覚を覚えたが、
すぐにそれは錯覚だと分かった。ここは満と二人で暮らしている家だ。
満の寝顔が目の前にある。

――……なんで?

隣のベッドで寝ているはずの満がなぜ自分の横で寝ているのか。
寝起きのぼんやりした頭で満の寝顔を見つめていた薫だったが、突然
この暑苦しさの原因が満であることに気づくとぽこんと満の
頭をはたく。

「う……ん、何? 薫?」
起こされた満は少し不機嫌そうに薫を見返した。
「何でここで寝てるのよ」
「いいじゃない一日くらい」
「自分のベッドがあるでしょう」
「なんでそんなに嫌がるのよ」
「暑い」
端的にそう答えて薫は満の額の汗を拭った。
「満だってこんなに汗かいてるじゃない」
「……まあ、そうね」
しぶしぶそう認めた満だったがベッドから出て行こうとはせずにまた
目を閉じる。
「ちょっと」
無視されたと思った薫がまた満の頭を叩いた。
「いいじゃない、暑いくらいなら。二人でいて暑いなんて珍しいんだから」
目を開けて満が言い返す。
「どういうこと」
「昔だったら、私と薫がどんなにくっついたって暑くなることなんて
 なかったでしょ」
満と薫がダークフォールにいた頃、背中合わせに座ったところで
別段お互いの体温を感じることはなかった。二人の身体は周りと
同じくらいに冷えていて、二人でいるからといって暑くなることはなかった。

「……だから?」
もう一度薫が聞き返した。
「だから、たまにはいいでしょ。こういうのも。暑いくらいなら」
満はもうこれで決まりだというように目を閉じると布団にもぐるようにして
眠ってしまった。

――確かに、二人でいて暑くなるっていうのは昔はなかったけど……
また満をたたき起こしても同じことの繰り返しになるだけのような
気がしたので、薫は諦めて目を閉じると満の体温を感じながら眠りについた。
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